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5.

5.

「そうか、お前は仕事中に少女を保護する、というんだな?」
「悪ぃかよ。お前はこの子をほおっておけってのか、月影?」
ナナを挟 んで、月影とラルフの両者は睨み合っていた。照瀬の警吏にナナの保護を依頼したところ、10歳前後の子供の保護は行っているが、それ以上の年齢の場合はひ とまず浮浪者として留置する、というのである。ナナの年齢は不詳だが、10は過ぎていることは明らかだった。ラルフはそんな扱いはかわいそうだろ、と主張 し、月影は公的機関に預けた方がその子のためにも安全だ、と主張する。危険を伴う可能性がある仕事に、身を守るすべもなさそうな少女を巻き込むわけにも行 かないだろう。
「浮浪者と同じ場所に、この子を預けるわけにゃいかねえだろ?」
「それがこの国のルールなら仕方がないだろう。我々に随行させるのも、私には色々な意味で危険だと思うがな。」
「んなもん、俺が守って…」
「それがむしろ危険だろう。お前の近くに居させるのもそもそも疑問だな。」
「ああ?どういう意味だ?」
「この子の精神衛生上よくないだろうってことだよ。下心が透けて見えるぞ、ラルフ・スタッカート。」
「な、てめっ!ちげえっての!!」
「職分を忘れるな。はっきり言おう。邪魔だよ、その子は。連れて行く気ならば、私は一人で行動させてもらう。」
「おい、月え…行っちまった。」
私の分をあの子に充ててくれ、と宿の人間に言伝て、月影は宿から出て行った。
「私、ごめんなさい…。私のせいですよね…。月影さん、呼び戻してきます。」
そういって走り出そうとするナナを制止し、ラルフは苦笑いをした。
「いいんだって。あいつはあいつでうまくやるさ…。」
不安げなナナの視線の先で、月影は足早に町の外へと向かっていた。
新たに宿をとることは、おそらく無理だろうと踏み、野宿先を考えた。そして、早々に目的を果たすことを考え、
野宿先は照瀬の北の森に決めた。そこは、鈴里という村をぐるりと取り囲む森でもある。
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