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草稿
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junkword03
え、と彼女は目を見張った。
目の前には真っ白な空間が広がっている。
上も下も、左も右も、至る所隙間無く真っ白なペンキで塗りたくった様な。
それはおろか、壁も床もどこなのか分からない。
「では、ページを開いてください。」
突然後ろから声がかかり、わ、と飛び上がった。
振り返るとそこには、燕尾服に手袋をつけた紳士が居た。しかし顔は紛れもなく馬だ。
「…」
叫び声を上げることも忘れる。いや、良くできたかぶり物だ、と頭が別の方向に舵を切り替えた。
「さあ、ページを開いてください。いつまでもみかえしでは、話が進みません。」
「ページ?みかえし?どこに本があるんです?」
というか貴方はだれ、という質問をしそびれた。
「貴方の居る場所にあります。さあ、開いてください。」
まったく言うことが理解できない。
「ひらくっていったって…本が無くちゃ何が何だか。」
「開くだけで良いんです。さあさあ。」
じゃあ、とページをめくるまねごとをする。
かさ、という音がして、目の前が真っ暗になった。
「え」
また声を上げる。姿の見えない馬紳士は言った。
「1ページ目です。目次になります。」
視線を動かすと、いくつもの窓が見えた。ちょうどパソコンの画面ほどの大きさだ。
それぞれが違う様子を映している。窓に差し込む日差し、都会の雑踏、銃撃の音響くビル、あかね色に染まった街、
誰か二人の足下、泣き崩れる女の背中…。
「ハードボイルドもの?」
苦笑いで窓をのぞく。
「そのようです。」
「好みじゃないなあ。他の無いの?」
この状況が夢だと判断した彼女は、軽く受け答えをする。
「では、本を閉じましょう。」
馬紳士も軽く返す。
分かった、とも言わず、彼女は両手で本を閉じる動きをした。
ぱたん、という音がして、窓が全て閉じた。
もう一度、本を開く様な動作をする。かさ、という音とともに窓が開く。
「…これは…。」
「お気に召しましたか。」
夏の日差し、風鈴の音、誰かの笑顔、走っていく子供たち、山に沈む太陽。
「終わってない、みたいだけど。」
確実に窓が足りなかった。目次なのに、最後の方の章がない。
「ええ、ですから、終わりを書いて頂かなくては。」
「……私が?」
「先ほどの本も終わっておりません。ここは未完の本しかございません。」
「彼らを終わらせるために、私どもは貴方の様な人をお連れしているのですよ。」
馬紳士が饒舌になっている。彼女はだんだん怖くなってきた。夢なのに、手に汗をかいている。
「さあ、お話の終わりまで、私を連れて行ってください。そうすれば、貴方を元の世界にお返ししましょう。」
ここは未完の話の行き着く場所。
彼はそこの住人。
気まぐれに選ばれた私は、汗ばんだ手でペンをとり、ページをめくる。
始まったお話を、終わらせるために。
※ホラー風味…これも年単位で昔のブツ
目の前には真っ白な空間が広がっている。
上も下も、左も右も、至る所隙間無く真っ白なペンキで塗りたくった様な。
それはおろか、壁も床もどこなのか分からない。
「では、ページを開いてください。」
突然後ろから声がかかり、わ、と飛び上がった。
振り返るとそこには、燕尾服に手袋をつけた紳士が居た。しかし顔は紛れもなく馬だ。
「…」
叫び声を上げることも忘れる。いや、良くできたかぶり物だ、と頭が別の方向に舵を切り替えた。
「さあ、ページを開いてください。いつまでもみかえしでは、話が進みません。」
「ページ?みかえし?どこに本があるんです?」
というか貴方はだれ、という質問をしそびれた。
「貴方の居る場所にあります。さあ、開いてください。」
まったく言うことが理解できない。
「ひらくっていったって…本が無くちゃ何が何だか。」
「開くだけで良いんです。さあさあ。」
じゃあ、とページをめくるまねごとをする。
かさ、という音がして、目の前が真っ暗になった。
「え」
また声を上げる。姿の見えない馬紳士は言った。
「1ページ目です。目次になります。」
視線を動かすと、いくつもの窓が見えた。ちょうどパソコンの画面ほどの大きさだ。
それぞれが違う様子を映している。窓に差し込む日差し、都会の雑踏、銃撃の音響くビル、あかね色に染まった街、
誰か二人の足下、泣き崩れる女の背中…。
「ハードボイルドもの?」
苦笑いで窓をのぞく。
「そのようです。」
「好みじゃないなあ。他の無いの?」
この状況が夢だと判断した彼女は、軽く受け答えをする。
「では、本を閉じましょう。」
馬紳士も軽く返す。
分かった、とも言わず、彼女は両手で本を閉じる動きをした。
ぱたん、という音がして、窓が全て閉じた。
もう一度、本を開く様な動作をする。かさ、という音とともに窓が開く。
「…これは…。」
「お気に召しましたか。」
夏の日差し、風鈴の音、誰かの笑顔、走っていく子供たち、山に沈む太陽。
「終わってない、みたいだけど。」
確実に窓が足りなかった。目次なのに、最後の方の章がない。
「ええ、ですから、終わりを書いて頂かなくては。」
「……私が?」
「先ほどの本も終わっておりません。ここは未完の本しかございません。」
「彼らを終わらせるために、私どもは貴方の様な人をお連れしているのですよ。」
馬紳士が饒舌になっている。彼女はだんだん怖くなってきた。夢なのに、手に汗をかいている。
「さあ、お話の終わりまで、私を連れて行ってください。そうすれば、貴方を元の世界にお返ししましょう。」
ここは未完の話の行き着く場所。
彼はそこの住人。
気まぐれに選ばれた私は、汗ばんだ手でペンをとり、ページをめくる。
始まったお話を、終わらせるために。
※ホラー風味…これも年単位で昔のブツ
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