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草稿
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■屋根と船と魔女の世界
大陸は3つ。
『西の屋根』
『東の船』
『笑う魔女』
島は3つ。
『千本の剣』
『神の島』
『神の落としもの』
二足のものも、四足のものも、空を飛ぶものも地を這う物も
この世界にはびこっている。
ただ一つ、『神の島』を除いて。
・『西の屋根』の事
『西の屋根』の事を知りたいならそんなに苦労はしない。
知の国「アレイ」に行けばいい。
そこには「賢者の妄想」と呼ばれる巨大な図書館がある。
そこの本棚のほんの一角で、この大陸の歴史は大体わかるさ。
西の屋根の国は、極端に強い国と極端に弱い国しか生まれなかったから、
その歴史は血にまみれることはめったにない。国の数だって500年に一度減るか減らないか。
だからこそ、文化は豊かに栄え、だからこそ、命は色を失う。
神に嫌われた地「ハル」はいつだって、カサカサとした風と痩せた草しかない不毛の地だし、
「その国の物は石から生まれる」ともっぱらの評判の大国「ガ」は、
商売相手やお偉い先生には向くが、友人になるにははご遠慮願いたい人種ばかりだ。
石みたいなやつらに搾取されている「ツツ」や「マーナ」は、賑やかな国だが、
「ガ」との主従関係にあらがうことさえ諦めて、裏路地はため息であふれてるって話だ。
「ハリム」はいい。あそこはいつだって、陽気で、力強い奴らばかりだ。
商魂たくましいのは小さな国土しかない貿易国家なら仕方もあるまい。
あそこは『東の船』のやつらが、本物の船に乗ってやってくる場所だ。
いつだって新しい風が吹いている。
「ゲフェン」と「アシェケ」?ああ。あそこはしょうもないことで争ってばかりだ。
ほっときゃいいさ。どうせ100年近く小競り合いを続けてるんだし、
困るのは「ルーレル」の人間くらいだ。
・『東の船』の事
『東の船』の歴史を知るのはたいそう難しい。
何しろ、いつだって血で血をあらう争いばかりだ。
国ってもんが定まっている時期が珍しい。
「フーマ」くらいだろう、こんなに長く統治が続いているのは。
あの国はうまくやった。何しろ『西の船』の「ハリム」と交易をする約束を取り付けたんだから。
まだ王は若いっていうじゃないか。大したもんだね。やっぱり船大工の腕がいいんだろうね。
今は、どんな国があるんだっけ。
「ニズム」。そう、そんな国があるらしいじゃないか。
「フーマ」に守られて、北の連中からの侵攻をしのいでいるってね。
たいそう豊かな国らしいね。油田、塩田、真水も豊かで、森も、海も生き物であふれてるって話だ。
神様はなんでその塩の一つまみくらい、「北」の連中にやらなかったんだろうね。
「北」ってのは、大陸の北に延びている「船のへさき」の部分さ。
今は「ジシス」「パヤンガ」「スーツク」「カルファナ」「ルカリ」…そんなちっこい国が集まっている。
資源らしい資源はあまりない、貧しい国ばかりだ。信心深い奴らが多いが、信じてるものが違うってのも厄介だね。
へさきの根本、「フーマ」との接点には、無法地帯「ハラ・ガラサ」が腰を据えている。
詐欺、強盗、殺し、なんでもありさ。あんなところ住めたもんじゃない。
まだ、『千本の剣』の方が住めるんじゃないか?
・『笑う魔女』の噂
その島が、突然あらゆる門戸を閉ざしたのは、ほんの100年ほど前だ。国の名は「パセドナ」。
船が着岸できる場所という場所を固い関所で取り締まり、
よっぽどの特権が得られない限り、その島に入る事は出来ない。国家レベルの交渉が必要で、
それでも奴ら、そう簡単には首を縦に振らない。『西の屋根』の「ルーレル」は、結構努力しているようだが。
これは、確かな情報ではないが、こんな噂がある。
「あの島の中では、時が1000年早く進んでいる」
どういうことかはわからない。ただ、私も一度だけ見たことがある。
あの島から、巨大な鉄の鳥が飛び立ったのを。尾羽から青い火を噴き、龍にも勝る速さで、空を駆けていったのを。
・『千本の剣』の光景
誰もすんじゃいないさ。あの島には。
居るのは、数頭の竜。誇り高い、気高い、お高く留まった竜たちさ。
人が、嫌いなんだと。
島の近くを船が通るだけで、剣山みたいに突き立った鋭い山々の合間から、
不機嫌そうに火を吐いているのを、よく見るぜ。
こっちの言葉が分かるくせに、絶対に話そうとはしない。
昔はあっちこっちにいたんだってよ。
でも、その血があらゆる難病を治す、って噂が立った途端、
あっという間に人間どもに仲間の多くを狩られて
あいつら頭にきたんだろうなあ。それまでは、友達だったって、おとぎ話もあるもんなあ。
嫌いだよ。でもさ、あいつらが剣山の先っちょで、海風に吹かれながら遠くを見ている様は
馬鹿みたいに綺麗だと思うさ。嫌でもな。
あれ、誰を探してるんだろうな。
・『神の落し物』への航海
某日、偉大な航海士(××ページがかすれて読めない××)は、不運にも南海にて嵐に見舞われた。
奇跡的に見知らぬ地へ流れつき、現地の人間により一命を取り留める。
彼は目を覚まし驚いた。かつてこのような場所に島があり、まして国があるなどと、聞いたことがなかったのだ。
彼は現地人の協力をもとに母国フーマへと帰り着き、そしてこの偉大な発見を報告したのだ。
南海にポツリと浮かぶ小さな島国「ナウマリ」は、『西の屋根』『東の船』のいずれの国とも違う
文化を持ち、言語をもっていた。彼らの衣服や住居は至極素朴であり、文化の成熟はいまだ発展途上だと推測される。
彼らは、自らの国を「神の落し物」だと称した。
どの大陸とも離れているためか、キメラの類は全く生息しておらず、妖も純粋な精霊に近い姿で、現地の者と交流を深めているようだった。「彼ら」自身が何かは、推測の域を出ない。「ヒト」とも「バル」ともつかぬその姿は、我々の研究にお(××記事はここで破かれている××)
・『神の島』への漂流者
…驚いた。ここに来る生き物などいないと思っていたよ。
当然知っているのだろう?ここが『死地』あるいは『墓所』と呼ばれる島であることを。
見てのとおり、草一本生えてやしない。ここで生きられる命など、無いのだよ。
君も、早々に帰るべきだ。ここには毒性の気体を噴出する沼もある。
私か?私は『墓守』だよ。私だけではない。
この「死地」で唯一生きられる一族が、我々「ファーラ」だ。「ヒト」とも「バル」とも違う、「神の人形」。
神はこの地に眠る御方を、たいそう大切にしていらっしゃる。
寂しくないように、と作られたのが、我々だといわれている。
さあ、もうお帰り。
ここは生きているものの地ではない、とさっきも言ったのは、嘘ではないんだ。
・『沈んだ国』
今や歴史書でしか、その姿を知る事が出来ない地がある。
名前を「ノーマ」という。北海の中央に沈んだ国だ。
小さいながら、他の国を凌駕する文明をもち、大量殺戮が可能な兵器をもって、破竹の勢いで他国を侵攻し、
二つの大陸を手中に収めんとした、強権の国家だった。
その文化の根源も、滅びた理由も、今や国とともに深海の底に横たわり、二度と目覚めはしない。
補足:
・バル…いわゆる亜人の総称。種の祖先は精霊や妖が人の祖と交わったもの。
・キメラ…人が作り出した生き物が野生化したもの。臆病だが繁殖期は共謀。
・妖…精霊が劣化したもの。いわゆるモンスターの類のような存在。
※昔裏ページにおいていた世界観設定です。
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