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11.

11.
鈴里の店が立ち並ぶ目抜き通りに、小さな飲み屋がある。
昼の仕事を終えた男たちが、にぎやかに将棋を指している様子が、毎日のように見受けられる場所だ。静かに戦局を見通す者も見守る者もなく、指している当人も、周りの観客も、げらげらと笑いながら、野次を飛ばす。
その中に、彼らはこっそりとまぎれている。
「保安官が来ている。」
「やはり来たか。チクったのは、周りの森をうろついている連中か?」
「だろうな。」
「たった二人らしいじゃないか。しかも一人はただの娘だ。」
「殺ろうってのか?そりゃまずいだろ、政府の人間だぜ?」
「熊にでも食われたってことにしとけよ。」
がははは、と大声で、向かいの鍛冶屋の親父が笑っている。相手がとんだへぼな手を打ったらしい。
「問題は、そいつがどうやら白の一族らしいって話だ。同胞は殺せん。」
「ああ、そいつはまずいな」
「露玄の野郎、わかってて…あ、その手待った!」
突然声が大きくなった。相手はにやりと笑って、待ったなし!と言い切った。
「神様のほうはどうなんで?」
「あの日、我々が見たあの女神。方々を探しても見つからないままだ。何とも間抜けな話じゃあないか。」
「全く。星読みが星を読み違えるなんてなあ。あの星読み、すっかりミイラみたいに痩せちまって。」
たった一日。
彼が読み違えたその一日が、「朝霧」の有力者による召喚行為を失敗させた。
星の位置がずれ、依り代を見つけられなかった「女神」は、空をかけて、彼らの目の前から消えてしまったのだ。
「次の満月だ。女神がこの世界にいられるのは、その日が限度だ。」
何が何でも、それまでに、失われた女神を探し出し、そして彼女の問いに答えなければならない。
「待った!」
「待ったなし!」
悲鳴のような「待った」は、またも無慈悲に断られた。
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